4月30日、もの言う投資家として知られるエリオット・マネジメントが住友商事の株式数百億円分を取得したことが話題となりました。
エリオット・マネジメントは日本で積極的に活動しているアメリカの投資会社であり、近年では、三井不動産に投資をしたり、保有していたオリエンタルランドの株式を売却したりなどしています。
では今回、住友商事の大規模な株式を取得したエリオット・マネジメントですが、いったいどんな会社なのでしょうか。この記事では、どんな会社なのか、また、なぜここまでにも日本が注目をされているのかについて解説していきます。
エリオット・マネジメントとは
1977年にポール・シンガーによって立ち上げられました。戦略としては、シンガーには市場の格差や企業の価値を見出して利益に変えるというシンガーならではの戦略を持っていました。
その戦略でディストレスト証券(崖っぷちの企業に投資する)や企業債権などに投資して成功していき、今では数百億ドルの資産を管理しているなどアメリカを代表するファンドの一つです。
では、エリオット・マネジメントの運用戦略について詳しくみていきましょう!
エリオット・マネジメントの戦略
ディストレスト証券への投資
まずディストレスト証券とは、
財務面において危機に陥っている会社の株式や社債を安価で買い取り、この会社の価値が上昇したところで株式や社債を売却する投資手法
です。
この投資はリスクは高いですが、知識や経験などがあると事業を立て直すことが可能になるので競合があまりおらず、勝ちやすい投資方法となりますね。
アクティビスト投資
エリオット・マネジメントはアクティビスト投資を行なっているとしても知られています。
アクティビスト投資というのは、
株式を一定程度取得した上で、その保有株式を裏づけとして、投資先企業の経営陣に積極的に提言をおこない、企業価値の向上を目指す投資家のことをアクティビストという。
野村證券
いわゆる「物言う株主」で、経営陣との対話・交渉のほか、株主提案権の行使、会社提案議案の否決に向けた委任状勧誘等をおこなうことがある。ただし、最近では株式の保有割合が低くても、投資先企業に積極的に提言をおこなうケースもみられる。
このことからエリオット・マネジメントは「物言う株主」と呼ばれています。
多様な資産への投資
エリオット・マネジメントは株式、外国為替、デリバディブ、債権、不動産などたくさんの資産へ投資をしていることでも知られており、さらに規模を拡大していっています。
なぜ今回住友商事に投資をしたのか
日本に積極的に投資を行なっているエリオット・マネジメントですが、なぜ今回、住友商事に投資することになったのでしょうか。その理由としては、詳しくは公開されていないとのことです。
ですが、
関係者によると、エリオットは住友商と企業価値向上策について協議した。エリオットは直近では三井不動産に投資して保有資産売却や自社株買いを求め、三井不の4月の資本効率化計画を歓迎する声明を出した。他に大日本印刷を含めてバリュエーションが割安で株主還元余力があると見られる企業に投資している。ソフトバンクグループに投資した2020年頃から、日本国内での投資を活発にしている。
会社四季報
とだけ書かれています。
まとめ
今回はエリオット・マネジメントが住友商事の株式を取得したことで話題になったので、エリオット・マネジメントとはどんな会社なのかについて解説していきました。
日本が注目されているということは喜ばしいことですね!
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